紅葉の季節になると毎年のように頭に浮かぶ場所があります。それは回り目平という金峰山の麓にあるキャンプ場。ここ数週間、回り目平の紅葉情報が時折耳に入ってくるものの、今年もタイミング合わないかな―と思ってました。
そんな思いを頭の片隅に置きつつ、今回もクライミングの方向で計画を立てておりました。
が、しかし数日前になって友達から「風邪引いたかも・・・」
「なぬー💢」とは思わず。
そんな事は良くある事、これも含めてクライミングです。
さてさて、それならそれでチャッチャと気持ちを切り替えてNEXTプランを考えねば。
もう、お気づきで、そうです頭の片隅のやつです。
確か回り目平の紅葉はピークのはず。
ちょい前の天気予報では、ここ数日晴れのち曇りのオンパレードだったはず、まぁ天気は問題ないでしょう。
でも念のためネットでチェック 「ん?この日だけ雲マークのみ?」翌日チェックしても雲のまんま
念押しで、どこの局の天気予報でも「今の日差しも夕方まで、夕方から雲が広がるでしょう。そして明日も終日、広い範囲で雲りが予想されます、ただ雨は降る事はないでしょう。」だって!
雨は降らないけど終日くもりかー😢
回り目の紅葉は楽しめるにしても、金峰山の頂上から眼下に広がる唐松の紅葉が期待薄となると来年以降に繰り越しかなー。
となると山頂からの大展望は諦めるとして紅葉が楽しめて、しばらく歩ってないので身体は長丁場をを欲しているようです。
地図を広げてみると、その頂きは僕に猛アピールしてくるではないですか。決定するまで差ほど時間はかかりませんでした。
金峰山のご近所さんの甲武信ヶ岳に決定!
改めて工作してみると思いのほか長丁場になりそうです。しばらくぶりなので多少の不安はありましたが往復ルートなのでいざとなれば撤退も有りでしょう、行ってみる事にしました。
なるべく時間を稼ぐために前夜入り車中泊の、なる早出発する事に!
まだまだ僕の心は夏に未練タラタラのようです。
早朝アラームに起こされ外を見ると、まだ真っ暗。
「そうだよな、もう10月なんだよなー」5時は早すぎました。
そのまま寝袋の中でウダウダしつつ、遠くの景色がうっすら確認出来る頃にぼちぼち準備開始です。
頭上は予報通りの鈍曇り、気温は差ほど低くありません。
スタートは更に車で数分走らせた別の駐車場からとなります。
だいぶ明るくなり、微かながら青空さえも。いいぞ、いいぞ!
辺りを見まわすと、いきなりの「紅葉ピー――――クッ」、早くも目標達成!
モザイク色に染まり、なんとも綺麗ですが、もう少しもったいぶって欲しかった。
山のピークはそう簡単にはゲットできませんが。
早朝6時ちょい過ぎ、しゅっぱーつ。
往路は戸渡り尾根沿いの「近丸新道」を上ります。
そして復路は「徳ちゃん新道」を下ります。手書きでアートは案内図の右側をご参照あれ。
時間があれば帰りに渓谷へ寄りたいので、この道順で行く事に。
近丸新道入り口
西沢渓谷方面は後ほど
遠目では見事はモザイクな森だけど、森の中から見るとまだまだ緑も目立ちます。
しばーらく標高は上げず、沢を脇見に並行移動でドンドン深入る感じが続きます。
こんな感じのザレ場もちらほらと。
ザレ場とは斜面に砂が堆積し崩れやすい場所を言います。小石だとガレ場になります。
すぐ横に沢からの川砂が堆積しているのでしょう。う回路として徳ちゃん新道が出来たのもうなずけます。
人の気配はまったく無し、こんな所で落ちたら目も当てられません。ここは必要以上に慎重に!
更に進むと足元の落ち葉は深くなり、道は多少不明瞭になってきました。
帰りは沢を挟んだ向こう側の尾根、この写真のモザイクを潜って下る予定です。
ゆるーい上りと並行移動を淡々と、こなした先にパッと開けた嬉しい解放感。
相変わらずの鈍曇りが逆に鮮やかなオレンジと水の流れが引き立ちます。
一息ついて、顔を洗って先を進みます。
ん?不明瞭な踏み後が幾筋も。そして進んでみては行き止まり&舞い戻りを何度か繰り返し、
やっと見つけました。何これ?丸木橋のつもり?
直径20センチにも満たない、しかも濡れてます。ビジュアル的に使う気になれません。
ただ丸木橋のはるか先に目をやるとコース目印のテープがあるではないか。
行くしかないようです。さほど深くないようなので靴を脱いで渡渉も考えましたが
めんどうなので苔コケのぬるぬるの飛び石で渡る事にしました。濡れずに済みました。
コースはだいぶ荒れてるようで、あまり使われてないんでしょうか。
ここから沢を離れ、いきなりの急坂、と同時に体温も急上昇。
しばらくぶりなので長ーい並行移動は良い脚慣らしになりました。
諦めていた薄日もさしてきましたよー。
もしかして、もしかすると・・・
この写真で標高上がったの分かりますか?
木々の落葉は増え、陽がだいぶ届くようになってきました。
ここからもズンズン標高を上げ続け落葉樹は丸坊主、そしてシャクナゲがちらほらと。
さらに進むと、すっかりシャクナゲに取り囲まれ、行く手を阻む程に。
そのシャクナゲトンネルを抜けるとやっと着いたぜ一つ目のチェックポイント
「近丸新道」と「徳ちゃん新道」の分岐
さらに、この日初めての登山人とも遭遇、いわく「丸太の沢渡れました?」の問い
やっぱ、こっちのルートはあまり使われていないのか、どうりで!
そして、この日初のガッツリ休憩
汗ぐっちょで、なんとも心地よく、程よい疲労感
しかし、いつもの湧きでる食欲はなぜかありません。
そんな時の為に今回はいい物を持ってきました。
幻のオレンジ配合なり。
有難うございます、頂き物でーす。ありがたーくこの上ない有効活用させて頂きました。
エナジーチャージ完了
次のチェックポイントまで更に標高で500M一気に上げるぞー。
ハンパないシャクナゲに取り囲まれつつ、急坂は続きます。
ズンズン標高を上げて行くとシャクナゲは薄れ始め、クマザサを針葉樹が現れ始めました。
標高上昇と共に刻々と変化する景色
辺りはすっかりスッカスカの針葉樹林と倒木、おまけにガスり始めてきました。
ガスガスの、この景色が永遠と続きます。
急登なうえに、ひたすら大きい段差、そしてどんよりしたガスガス感
このエリアが一番辛かった。
次の分岐まで休憩無しの予定でしたが、一回心折れガスの中で二度目のガッツリ休憩する事に
辺りは無風で無音状態、唯一聞こえてくるのは枝から枝へ移り渡る小鳥の羽音だけ
その内、いつもは掻き消されているであろう耳鳴りまで聞こえてくる始末
いぜんいつもの食欲は湧いて来ず、それでも食パンを腹にいれ、幻ののど飴をもう一個
10分ほど休憩したのちに さーて、分岐までもうすぐのはず
再び歩き始めて程なく
この登りを上がり切った先で視界が開ける予感
がしかし期待裏切られ絶望的な視界ゼロ
そもそも、これは想定範囲内と言い聞かせ先を急ぐことに
この後再び針葉樹林帯、
あれ?風が出てきたぞ
さらにズンズン、グングン進んでいくと
ガスもなくなり、木漏れ日さえも差し始めました。
なんじゃこりゃ???
まったく期待していなかった空はこの通り
テンションも上がるってもんです。
とーちゃーく次のチェックポイントの分岐点
ここで二度目の休憩の予定でしただ、ちょっと前にとってしまったので、かーるくスル―
ガスガスが陽の光に変わるだけでこんなに雰囲気が変わるとは、太陽偉大なり
そして、この先には次のチェックポイント木賊山(とくさやま)とうちゃーく
木々に囲まれ展望ゼロなので迷わずスル―
立ち枯れた木々も現れ始め山頂感満載になってきました。
そしてひょっこり抜け出たところでやっと、やっと視界が広がりました。
濃く青い空、左から右へすんごい勢いで駆け抜ける白い雲
抜け出たーーーーって感じ!
それにしても肌に突き刺さるような冷たーい強風、
でも、それがえらく心地よく、寒いのガマンしてでも直に感じてたい
んーーーこれこれ!
ようやくお目にかかれました、今回のターゲット
バリカンで一筋刈られたとんがり頭、これが甲武信ヶ岳の全貌です。
足元にはなぜか渋すぎる風速計
目指す頂きは目と鼻の先、時計をみるとまずまずのコースタイム
さあさあ、ここから一気に畳みかけますよー
山小屋はちら見で済ませ
雰囲気的にも、時間的にも秒読み間違いなし
再びひょっこり樹林帯から抜け出て
ハイ、お疲れっした、頂きました2,475M
見て見て見て見て、この真っ青な空ク―――――――っ!
でもやっぱり曇りな事には変わりないようです。
ひらけたと思ったら
また立ち込めるの繰り返し
欲も出てきて一瞬でもと、強風吹きすさむ中、期待を胸にしばらく待つ事に
「お願いします、晴れ女大明神さま、パンパン」←お客さんです。事前にお願い済。
するとちょっとですが視界開けてまいりましたよ、ほらほらー♪
↓拡大写真
一番左が曇りじゃなかったら登っていた金峰山、プチっと突き出たのが頂上にある五丈岩
真ん中の奥にうっすら浮かぶのが赤岳だと思うのですが
そして一番右が瑞垣山そんでプチっと突き出たところが、たぶんオオヤスリ岩
更に欲が出て、富士山見えないかな―
あったーーーー
よーくよーく見ると、うっすらですが分かりますかねー?
肉眼だど容易に確認できるのですが
改めまして「晴れ女大明神さまー、あざーす。鼻息届きましたよ―」
上出来も上出来、十分過ぎるくらいです。
吹きっさらしの中いいかげん待ちましたので身体は冷えっ冷え、撤収する事に。
ってちょっとまって、なぬ?埼玉県?
改めて地図で確認してびっくり、山梨と長野の県境とは思っていたけど
埼玉も絡んでいたとは知らなかった
相も変わらず心地よい木漏れ日の中を上機嫌で、いざ下山
一気に転げ落ちるように下ってくだって、再びシャクナゲ樹林帯に差し掛かると大粒の雨
びっくりポンや?
でもパラパラしか降っていないのでカッパを着るに至りません。
なるほど、ようやく分かりました。
ここは谷間で雲の吹きだまり、そして谷の裏側は風の通り道で晴れてたってわけです。
さらに標高下げて行き、近丸と徳ちゃんの分岐点
こんどは徳ちゃん新道を下ります。
ここでもガスってはいましたが、雨はすっかり上がってました。
と言うより先程の場所は雲の中で気温も低かったので水滴になった、のかもね?
ギュンギュン下って、のぼりの時の対岸だったモザイクの森に到着
徳ちゃん新道真っただ中、使われてるだけあって道はだいぶ安定しています。
下りは、なんとも味気ないもんです。
「あっ」て言ったら着いちゃいました。徳ちゃん新道入口に
現在地
↓拡大図
今回はなにかとめまぐるしく変化の多い一日でした。
天候然り、景色しかり、そうして自分のテンション然り
おかげでブログも長ーくなっちゃいました。
最後まで読んで頂いて有難うございました。
この後の西沢渓谷編は、また今度に致します。
あー楽しかった―!
充電フルチャージ済、やさしが営業中なり!